その「怒り」の原因は、認知症ではなく「難聴」かもしれません
2026年夏号
その「怒り」の原因は、認知症ではなく「難聴」かもしれません
以前、あるご家族が「父がすぐ怒る。会話も成立しないし、認知症に違いない」と相談に来られました。ご本人は介護が必要な奥様を守りたい一心でしたが、聞こえない不安と、認知症扱いされる悔しさで、周囲に心を閉ざしていたのです。なんで僕と妻を引き離すんだと怒りに震えていたのです。娘さんが敵に見えていたようです。
でも娘さん自身やるせなさ、頼もしかった両親を自分がやり方もわからないのに支えなきゃいけないといっぱいいっぱいだったのです。
「聴こえ」が変わると、人生が変わる
店で補聴器を試着し、数年ぶりに家族との会話が成り立ったとき、そこには穏やかに笑う家族の姿がありました。
「あんまり怒るから、なんでわかってくれないの?って思ったし認知症まで疑ったよ」と泣き笑いの顔で話す娘さんと「認知症なんて酷いな。母さんが具合悪くて看病しなきゃいけないのに、僕に施設に行けって訳が解らなかったよ」と照れ臭そうに話す姿でした。補聴器を貸出ますので、ゆっくりと話してみて下さい。と見送りました。ちなみに一週間後、お父さん耳が悪いだけでした。とホッとした顔で話してくれました。
あれから5年。そのお客様は今もご自宅で奥様を介護し、元シェフの腕を活かして地域で料理教室のボランティアまでされています。若い方と親交も出来ましたよ。と笑って話して下さいます。
「誤解」で施設に入る方を一人でも減らしたい
難聴からくる「反応の鈍さ」や「苛立ち」が、認知症と誤解され、住み慣れた家を離れるケースは少なくありません。
安全面や家の構造など様々な事情はありますが、誤解して見捨てられた気持ちになることは多々あります。
そんな悲しい誤解をしないためにも補聴器を活用してほしいと感じます。
私たちは、補聴器を売るだけでなく、「その人の本来の姿」を家族に取り戻すケアをしていきたいと考えています。「最近、性格が変わった?」と感じたら、まずは一度、お話ししに来てください。
